芸術家としての生き方

僕がおつきあいをしている人の大半は、定職に就き
社会の中で、何らかの自分の役割を演じています。
そんな中で、僕の友人(というか幼なじみ)の一人は
画家(油絵)を生業としています。
画家も立派な職業ですし、
非社会的などと言うつもりは全くありません。
(そんなことを思ってもいません。)
でも、社会との接し方という面では
友人の中で異色の存在ではあります。
そして、
「好きなことをやっている」「好きなことに打ち込んでいる」ということで、価値観が違うようにも感じるのです。
(うらやましいとも思います。)

ゴッホは、生きている間は全く脚光を浴びなかったし
絵も1枚も売れませんでした。
(弟が1枚買ったのかな?)
そして、どちらかと言うと、親兄弟に迷惑ばっかりかけている
そんな存在でした。
(それを悩んで、何度も自殺を図ろうとしたりしました。)

しかし、37歳という短い人生を終え
後の世の中になると、
ゴッホ美術館」ができたり、絵が1枚何百億円かで取引されたり、
また、展覧会には長蛇の列ができたり
こんなことになるとは、夢にも思わなかったことでしょう。

(才能あふれる若い頃のゴッホに、もし、この「金」と「名声」の一部でも
授けてあげたかったと思うのは僕だけでしょうか?)
(それができたら、更に多くの名作を、彼は世に残し
それだけ多くの人間に感動を与えたことでしょう。)

こういうことを考えると
なんだか自分が中途半端な生き方をしているような
気がしてなりません。
じゃあ、何が出来るのかというと
これも又、答えられなくなってしまいます。
若い頃は、自分の選択肢の中に
いろんな可能性を持っていたと思います。
それが、人生の後半に突入していくにつれ
やや、レールの上の人生というか
可能性が狭まるのは、世の常で
仕方のないことなのでしょうか?
(永遠の自問自答かも知れませんが。)